大学病院初訪問 2

3/05/2023

化学療法 手術

t f B! P L



この日はかなり長い時間、たしか3時間ほど待ったと思う。
ようやく名前が呼ばれて、診察室に入り、主治医となる先生と初対面した。

主治医はクリニックの先生の書いた紹介状に書かれていた名前を名乗り、色々と説明をしてくれた。

・クリニックの先生の紹介状のデータを見ると、Stage1だと思われるということ
・今後全摘にするか部分切除にするかを決めてほしいということ(MRIの結果によっては問答無用で全摘になる可能性もあるということ)
・全摘、部分切除のどちらを選択しても、抗がん剤やホルモン治療といった治療内容が変わるわけではないということ
・ただし、部分切除の場合には、絶対に放射線治療が必要だということ
・全摘の場合には乳房再建手術を行うこともできるということ

そして、今後の検査のスケジュールが説明された。
まず最初に行うのが造影剤を使ったMRI。闘病アカウントを見たところによると痛かったと何人もの人が書いていた検査だ。

「これは土曜日でもできるので最短の日程だと9月24日で、その次だと平日で...」
「9月24日...その日誕生日です。」

先生にとってはどうでもよい関係ないことだと思ったのだが、つい口から出てしまった。

「ああ、そっか。予定があれば全然別の日でも!」
「いえ、大丈夫です。その日でお願いします。」

誕生日の予定はなくなったばかりだ。それに記念すべき40歳の誕生日ではあったけれど、誕生日を祝えるような心境でもない。むしろ誕生日に検査をすることで今後に向けた覚悟ができるんじゃないかと思った。40歳の一年はしっかり病気と戦わなきゃいけないんだという覚悟が。

9月24日にMRIの検査をお願いし、9月29日にはサブタイプの結果をもって再度外来受診。この日に超音波も実施して、サブタイプ・MRI・超音波の結果をもとに、今後の手術や治療のことを決めていくこととなった。

それと、手術日程の仮予約も行った。再建をするときも対応できるように形成の先生の予定もあいている最短日程でと提示されたのは11月25日だった。もちろん検査結果次第では、術前に化学療法をすることになるから、その場合には再度組み直しとなるのだけれど、提示されたのが2ヶ月以上も先の日程であることにいささかの不安を覚えた。クリニックの先生は、あれだけ一刻も早くと言っていたのに大丈夫なんだろうか。

すると先生はそれを見越してか「●●さんのがんはゆっくり大きくなってきたタイプだから手術の間までに病巣が急激に大きくなることはない」と話してくれた。

今、このブログを書いているのは手術を行った3ヶ月、この日から考えると5ヶ月以上経っていて、どうしてこのタイミングで「ゆっくり大きくなってきたタイプ」だと分かったのかは分からない。(術後の病理結果を見てもそう思えないような気がしている。)けれど、先生のこのときの言葉がこの日から手術までの2ヶ月間、わたしの心の支えになったことは間違いない。


この日、主治医の診察を終えると、看護師さんの問診もありこの後なんども書くことになる「こころとからだのアンケート」にも回答をした。そして簡単な案内の冊子をもらった。



この冊子を見て、恥ずかしながら「緩和ケア」について誤った知識を持ち合わせていたことに気付かされた。緩和ケアというのは、末期の患者さんがなるべく苦しまずQOLを下げずに最期のときを迎えられるためのケアのことだと思っていた。しかし、本来はがんと診断されたときから行う、身体的・精神的な苦痛をやわらげるためのケアのことなのだ。

告知から一週間の間は眠れず食べられずといった日が続いていたから、その一週間の間に相談ができていたらよかったなと思った。この前の日にようやく少し気持ちがふっきれていたため、この日は緩和ケアチームへの相談は大丈夫だと伝えた。でもこの先、手術や治療が本格的に始まったら、また精神的に不安定になることは目に見えていた。病院でメンタルケアもしてもらえるということに少し安心を覚えた。

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