サブタイプの結果 2

4/02/2023

化学療法 手術

t f B! P L

説明を受け、診察室を後にした。
友人と一緒に夕食を食べようと話していたが食欲が一気になくなってしまい、近くのカフェに入った。

友人はたくさんの知識があるから話したいこともあるだろうに、いや、知識があるからこそなのだろう。励ますでもなく、慰めるでもなく、ただ黙ってそこにいてくれた。わたしがぽつりぽつりと話し始めるのをじっと待ってくれた。

「ごめんね、覚悟はしていたんだけど」

そう話し始めたらぽろぽろと涙が出てきてしまった。

「謝ることないよ、不安だよね」と言いながら、抗がん剤や分子標的薬の簡単な説明、そして彼女が看護師として働いていたときに抗がん剤投与を受けていた患者さんがどんな様子だったかなどをわたしを気にかけながら説明してくれた。

いつも体調面で心配なことがあると相談に乗ってくれて適切なアドバイスをしてくれる彼女。この日も心はすごく落ち込んでいるのに、彼女の話を聞きながら「さすがだなあ、頼りになるなあ」と感心してしまった。
あの日、あの時間、一緒に過ごしてくれて本当にありがとう。


帰宅した後は家族や友人に結果について連絡をしていった。
がんと告知された後にも何度か思ったけれど、口に出さないようにしていた言葉があった。こんなこと言っても何も解決しないし、こんな言葉を吐き出された相手はなんと言ったらいいかわからないと思うからだ。なのに、この日は自制が効かなかった。親友に「もう生きるのがつらい」とLINEしてしまった。

「私にとって由美ちゃんは大切な大切な親友なので、生きていてほしい。
それが何よりの願いです。」

この返信を見た瞬間に涙が溢れた。
もう20年以上の付き合いになり、これまで何でも話してきた親友。
もし彼女がいなくなってしまったらと考えると、それだけですごく辛いし胸が痛いし、嬉しいことや悲しいことを誰に報告すればいいか分からなくなってしまう。きっと同じように感じてくれていると思う。だから、そんな想いを一瞬でもさせてしまってごめんなさいと思った。この先の治療でどんなに辛くても、生きていくことをやめたいと、そういった発言は家族や友達にはしないと決めた。

そして、もう一人報告をした方がいた。
わたしが病気のことを公表した後、同じ病気に罹患した経験があると、困ったことがあったら力になるよと連絡をくださった知人がいたのだ。

サブタイプの結果とともに「少し前向きになっていた気持ちが折れてしまった」という連絡をすると「ホルモン受容体・HER2とも陽性ということは、戦える武器が多いということなので、ポジティブなことでもあるよ!」という返信をいただいた。

これまで「どちらも陽性ということは、がんが増殖する原因が多いということで、原因が多いから治療をたくさんしなければいけない」という思考だった。だけど「その分治療法が多い」と捉えることができるんだ。これは告知から3週間目にして初めての気づきだった。

それでもやっぱり本当はルミナルAのほうがよいのかもしれない。抗がん剤をしなくて済むに越したことはないのかもしれない。身体に負担も少ないし。別のこととの比較はしたらきりがない。けれど。どうせ同じことをやるのであれば、ポジティブに捉えられた方がよいのかもしれないなと思う。もちろん盲目的になるのではなく、しっかり正しい知識はつけた前提でだけれど。

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