2021年の夏、音楽の趣味が合う友人が、あるアーティストを紹介してくれた。
それが、いま一番好きなアーティスト「showmore」だ。
2020年から始まったコロナ禍。
気軽にライブができない時期だったけれど、showmoreを知った2021年の11月に東京でワンマンライブが開催されて、はじめて生でshowmoreを観ることができた。それまでPCから聴いていた歌と演奏を、直接聴くことができて感じることができて感動した。泣いた。そのあとも一度だけライブを観にいくことができた。そして「もうすぐ3度目のshowmore!ワンマンは2回目だ...!」と楽しみにしていた。
でも、2回目のワンマンライブ当日を迎えたわたしは、ライブなんて行って楽しめるのかなと思っていた。その日は、9/21。サブタイプを聞いた翌日だった。
手術に加えて、抗がん剤と1年間の分子標的薬の治療が決定した翌日。
「この先どうなっちゃうんだろう」と途方に暮れていた。不安で不安でたまらなくて、こんな心境でライブは楽しめないだろうなって思った。
それでも次にライブに行けるのはきっと来年、、いや再来年になってしまうかもしれない。楽しめないかもしれないけれど、行かなかったら後悔するに違いない。後悔しないように行っておこう。
そんな気持ちで会場に向かったのに、ライブが始まった1秒後には「本当に来てよかった」って思ってぼろぼろ涙を流していた。
その日のツイートがこちら。
根津さんの歌声を聴いた瞬間に涙が溢れて、ずーっと泣きながら観ていた。
— みゅー (@miu924) September 21, 2022
「自分を、手の届く範囲の人を大切に」「自分を愛して」は今のわたしには刺さりすぎた。
次にライブに行けるのはもしかしたら1年半とか2年後になっちゃうのかもしれない。けど、元気になって、必ずまたshowmoreに会いに行く。 pic.twitter.com/7fV1kYzXWJ
心が震えるってまさにこういうことを言うんだなって感じた。
ツイートにも書いた「自分を、手の届く範囲の人を大切に」「自分を愛して」というのはボーカルの根津さんがMCで言っていた言葉だ。
病気が発覚して約半月。大げさに聞こえるかもしれないけれど、この短期間で人生観が変わった。自分を大事にしなければいけない、いや、大切にしてあげたい。そして辛い時期に寄り添ってくれた方たちに恩返しをしていきたい。
そう感じていたわたしの心に、この言葉がすーーーっと入ってきた。
告知を受けてからの半月の間、寝てる以外の時間は一秒たりとも病気のことが頭から離れたことはなかったけれど、この日はじめてそんな瞬間があったと思う。コロナ禍でよかった。だって、隣に立っている人がライブ中ずっとずっと泣いてたらびっくりしちゃうもんね。マスクしててよかった。
「次にライブに行けるのはもしかしたら1年半とか2年後になっちゃうのかもしれない。けど、元気になって、必ずまたshowmoreに会いに行く。」
そう決意した。
治療の先の夢を見させてくれてありがとう。
(おまけ。後日談。)
この後、11月下旬に乳がんの手術を終えて、術後の経過があまり良くなかった割に12月中旬にあるshowmoreのライブに行こうとしていたし、そのライブがコロナで延期になってしまって抗がん剤の治療の真っ最中になったからさすがに諦めていたんだけど、結局諦めきれなくて(その日は体調はあまりよくなかったんだけど)結局翌年3月上旬にライブに行った。あのときの決意はなんだったんだろうね。笑
半年ちょっと前のわたしへ。
治療中も割と遊べるよ。今のところ、なんとかなることばかりだよ。
だから、消えたいなんて思わないで。前を向いて生きてね。
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