大学病院を決めに、サブタイプを聞きに行くと思っていた日 1

2/25/2023

化学療法 手術

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9月5日の月曜に告知を受けて、これまでの人生の中で一番つらい一週間を過ごした。

週末はいつも彼と会っていたから予定は空いていて、この週末はこの先の関係をどうしていくかを話しあえたらと思っていた。けれど週末を迎える前に別れることになってしまい、土日の予定が空いた。
でもちょうどよかった。翌週の月曜には大学病院を決めに行くことになっているのに、日中はリモートワークをしていたし、夜は落ち込みがひどくてずっと泣いていて、なにも調べられていなかったからだ。

この先、手術や治療でお世話になる病院を決めるために、クリニックでもらった紙に書かれている病院をひとつひとつ検索した。本当は手術や治療の実績だったりを調べるべきなんだろうけれど、そんな心の余裕はなくて「自宅からも会社からも通いやすい場所」で選んだ。
こんなどん底で「人生終わったな」ってメンタルのときにも仕事のことを気にしてしまうの、ちょっとおかしいよね。だけど冷静な自分もいた。一人暮らしだし、この先も治療しながら自分で生活費・治療費を稼がないといけないと思っていた。

そして、もうひとつ調べなければいけないことがあった。それがサブタイプのこと、そしてこの先どんな治療をどれくらいの期間しなければいけないかということだった。
告知の日に「もっと詳しい検査が必要なので追加の検査に出す」と言われていた。次に病院に行ったらきっとその結果も聞くことになるのだろう。この検査の結果しだいでは抗がん剤をやることになる。そう考えるだけでまた吐き気がしてきて気持ちが沈んだ。

病気のことを公表したら、たくさんの方から連絡をいただいて、なかには「自分が」「自分の妻が」「母親が」乳がんの経験者だという連絡もあった。その多くは「手術だけで終わって今は元気だよ」とか「手術の後はホルモン剤の服薬だけで済んでるよ」と書かれていて「どうか、わたしもそうでありますように、せめて抗がん剤をしなくてすみますように」と祈った。


家族に告知を受けたと連絡したとき、群馬県に住む叔母が「週末そちらに行こうか」と言ってくれていて「今は大丈夫、手術や治療が始まったあとにサポートをお願いできるとありがたい」と返信をしていた。しかし、翌週の通院日が近づいてきたらどんどん不安が増してきた。
とても心が弱っていて、抗がん剤のことを考えるだけで吐き気がしている状態で、そして検査結果が望んだものではなかった場合、冷静に話を聞けるだろうか。いや、わたしの性格的に先生の前では取り乱したりしないだろう。しかし、その後一人になったときに、わたしは大丈夫だろうか。

金曜日、叔母に「来週の病院に付き添ってほしい」と連絡をした。急な依頼だったにもかかわらず、叔母は月曜に休みを取り、日曜の朝にこちらに来てくれた。叔母の前ではなるべく泣かないようにしたかったけれど、顔を見た瞬間に涙がぼろぼろとあふれてしまった。病気を患ってしまったわたしに会いに来てくれたというのが、ありがたくて申し訳なくて。そして、自分が病気になってしまったんだという実感が湧いてきてしまって。

「治療が不安でこわい」という話をしながら泣き続けるわたしの様子を見て叔母は「やるかわからない治療のことを調べても仕方ない。いろいろ調べて不安になっちゃってるんじゃないの?結果が出てから調べればいいんじゃないの?」と言った。そうなのだろう。そうなのかもしれないけれど。
この先のことが不安すぎて、逆に調べないことなんてできなかった。(と言っても、このとき調べていたことなんて、サブタイプというものがあること、それによって抗がん剤やホルモン治療をやることになるというくらいだったけれど。)

「だってどんな治療が必要でどれくらい休む可能性があるかを調べて会社と話をしなきゃいけないから。。仕事の引き継ぎをしなきゃいけないから。。」と弱々しく、それっぽい言い訳をした。それも嘘ではなかった。けれど、こわいのに、いやこわいから、調べてしまう自分の弱さを、弱さから出る行動を正当化してあげたかった。
(そして、このブログは告知を受けてから5か月以上経って書いているが、今考えると叔母のこの指摘はもっともだったと感じる。)

布団にくるまってじっとしていたい気持ちだったけれど、気をつかって叔母と一緒に昼食を食べに外に出た。明るい時間に外に出るのは数日ぶりで、外の空気は気持ちよかったし、体力が落ちているのを感じた。家にひとりで閉じこもっているのはよくないと感じることができた。食欲がなくても食べられそうなものをとうどんを頼み、とても頑張って食べたけれど少し残してしまい叔母を心配させた。

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